心地よい書き味を試したくなる「ガラスペン」
メディアで紹介されるたびに、人気の高まりを感じるガラスペン。
その歴史は比較的新しく、明治35年(1902年)に日本の風鈴職人によって開発されました。
書き味やインクの持ちの良さから、瞬く間にイタリア、ドイツ、フランスなどに広まっていったようです。
明治から昭和までは竹軸やセル軸などを使用し、ペン先のみがガラス製というものが主流でした。戦前から昭和40年代初頭にかけては事務用品として活躍し、軸に挿すガラスのペン先を交換して使用されていました。
その後ボールペンが開発され、より安価で大量生産にも向いていたため需要を取って代わられたという歴史があります。
現代では素晴らしい技術によって生み出された文房具も数多くあり、さらにデジタル化やIT化が加速している中ではスピード感や使いやすさといった”心地よさ”は多くの人々が求めるものでしょう。
しかしながら、ガラスペンのような”原始的な手書き”によって得られる楽しさ、心地よさが多くの人々の関心を得ていることも事実です。
毛細管現象によりペン先の溝にインクが吸い上げられる様子やペン先を紙に当てた時にインクが落ちていく様子など、描けるしくみが目に見えること、見た目以上の滑らかな書き味、インクもちの良さなど、見ているだけでは知り得ない楽しさが使う人の豊かな時間となるのです。
今回は、動画で水彩絵の具を使った楽しい使い方をご紹介しています。ぜひ一度お試しください。
※今回動画内で使用しているのは、フランチェスコ・ルビナート社のガラスペンです。
フランチェスコ・ルビナート社は1958年にイタリア・ヴェネト州・トレヴィーゾに伝統技術を使った筆記用具やデスクアクセサリーの製造、販売、修理をするお店として開店しました。その翌年には、製品のクオリティーの高さがイタリア全土に知れ渡り、その製品を買い求めに国内外から人々が訪れるようになりました。
今日では世界14ヶ国で製品が販売されています。