かねなか醤油店 手造り醤油
2022年1月22日
ここだけにある、よそにない味
かねなか醤油店 『手造り醤油』
「ザッザッザッ」。
5月、春の兆しがようやく見えつつある頃、静かな集落の中に響く音があります。
音の出所は、かねなか醤油店。炒った小麦と蒸した大豆に種麹を加える「もりこみ」と呼ばれる醤油づくりの一工程で、それらをリズムよく混ぜ合わせる音です。
出麹が済んだら塩水と合わせタンクへ寝かせ、じっくりと発酵を待ちます。
かねなか醤油店は明治18年創業、現在は4代目の中川定次さんが製造のすべてをひとりで担います。
看板商品である濃口醤油の『手造り醤油』『観音の里』は、大豆・小麦・塩のみを原料とし、添加物を一切含まれないゆえの、すっきりとした味わいが特徴。
用いる大豆は、近隣農家生産のものを使用。「年によってできが違う。その状態を勘定しながら仕込んでいきます。地域のものを循環させてずっと作ってきたんです」と中川さんは話します。
『やっぱかねなかさんとこのやわ』。
こう言って地元の人に愛されてきたのは、長浜の風土から生まれた"よそにない味"だから。
ここで根づいてきた料理には欠かせない味なのです。
かねなか醤油店
長浜市高月町唐川626
0749-85-3080
営業時間 8:30~18:30 不定休
写真提供:長浜生活文化研究所